■「16.6%が退職代行を利用」というインパクト
「退職代行サービス、ちょっと気になるけど…」
そう思ってる人、多いと思います。
マイナビが2024年に行った調査によると、
直近1年間に転職した人の16.6%が退職代行を利用していました。
つまり、
6人に1人くらいは「自分で言わずに辞めた」
という時代になっている、ということです。
しかも別の調査では、
「Z世代の約6割が退職代行の利用を検討したことがある」
というデータも出ています。
退職代行は、もう「一部の人の極端な選択」ではなく、
“普通に選択肢の一つ”としてテーブルに乗ってきているわけです。
■なぜ退職代行を使うのか?数字が教えてくれる本音
じゃあ、みんなどんな理由で使っているのか。
マイナビの調査を見てみると、理由の上位はこうです。
●退職代行を使った主な理由
・退職を引き留められた(引き留められそうだ)から:40.7%
・自分から退職を言い出せる環境でないから :32.4%
・退職を伝えた後トラブルになりそうだから :23.7%
「わがままで辞めたいから」というより、
“まともに辞めさせてもらえないかもしれない”不安が強いのが分かります。
職種別では、
「営業」「クリエイター・エンジニア」で利用率が高いとのこと。
- ノルマや人間関係の圧が強い営業
- 長時間労働やクライアントワークがきつい制作系
このあたりの「辞めます」が言い出しにくい空気感は、なんとなくイメージできますよね。
さらに企業側への調査では、
約4社に1社が「退職代行を使って辞めた人がいた」と回答。
もう、会社側から見ても“珍しい話ではない”レベルまで来ています。
■Z世代は「上司と話すくらいなら代行もアリ」がリアル
Z世代に絞った調査も、かなり生々しいです。
20〜29歳の若手社会人316人に聞いたところ、
上司との関係で退職を考えた人のうち64.2%が「退職代行の利用を検討した」と回答。
内訳を見ると、
・「積極的に利用を検討する」 16.1%
・「選択肢の一つとして検討」 43.0%
と、半分以上が“使うかも”モードです。
一方で「おそらく利用しない」「絶対に利用しない」も約3割いて、
価値観は分かれていますが、
「上司と直接やり合うくらいなら、代行もアリ」
と考える人が確実に増えているのは間違いありません。
■個人的な感想:退職代行は「逃げ」じゃなく、“環境バグの出口”
ここからは、少し個人的な視点です。
正直、退職代行そのものは、
「使う/使わないを決める権利が個人にあるだけ」だと思っています。
問題は、そこまで追い込まないと辞められない職場側です。
・「絶対に辞めさせない」空気
・感情的な引き留めや、脅しに近い言葉
・退職を言った瞬間に冷遇モード
こういう“環境バグ”があるからこそ、
「普通に辞めるルート」が機能していない。
その出口として退職代行が機能している、
という見方の方がしっくりきます。
もちろん、乱用すれば信用に傷がつくこともあります。
採用側が「退職代行歴」を気にし始めている、という調査も出ています。
だからこそ、
「最後のカード」として、大事に持っておく
くらいの距離感がちょうどいいのかなと感じています。
■じゃあ自分はどうする?“ちゃんと辞める”ための3ステップ
ここからは、
「今の職場、しんどいな…」と感じている人向けに、
現実的なアクションを3つにまとめます。
①まずは「辞めたい理由」を“自分目線”で言語化する
退職代行を使うかどうかは一旦置いて、
最初にやるべきは自分の本音の整理です。
・何が一番つらいのか(人/お金/時間/仕事)
・それは「会社を変えれば解決する」のか
・それとも「働き方やスキルの問題」なのか
このあたりをノートやスマホに書き出してみてください。
ここがフワッとしていると、
- 直接伝えても話がかみ合わない
- 転職しても同じことで詰む
というループに入りやすくなります。
逆に、
「自分は◯◯がしんどい」と分かっていると、
- 上司への相談内容もハッキリする
- 転職先のチェックポイントもブレない
という“次の一手”が打ちやすくなります。
②直接伝えるルートも、一度は検討してみる
退職代行のニュースを見ていると、
「最初から代行でいいや」と思いがちですが、
一度は“直接伝える選択肢”も検討した方がいいです。
理由はシンプルで、
- まともに聞いてくれる上司もいる
- 将来どこかで関わる可能性もゼロではない
- きれいに辞められた方が、自分もスッキリする
からです。
もちろん、
- 過去に相談したら逆ギレされた
- 明らかにハラスメント気質の上司
- どう見ても話が通じなさそう
こういうケースは無理しなくてOK。
「話せる余地が1ミリでもありそうか」
ここだけ、いちど冷静に判断してみてください。
③それでもダメなら、“出口戦略”として選択肢に入れる
ちゃんと整理して、ちゃんと相談して、
それでも改善が見込めない場合。
そこで初めて、
退職代行を“出口戦略”の一つとして考えるイメージです。
そのときに大事なのは、
・事前に転職先や次の収入源の目処を立てておく
・本業以外の収入(副業など)も少しずつ育てておく
・生活防衛資金を最低◯カ月分は確保しておく
といった「退職後の生活シミュレーション」です。
マイナビの調査でも、
退職代行利用者の多くは転職とセットで動いています。
退職代行=「全部放り出して辞める」ではなく、
「自分の心身とキャリアを守るために、
一番ダメージが少ないルートを選ぶ」
くらいの感覚で捉えた方が、現実的です。
■まとめ:退職代行16.6%の時代に、「辞め方」もキャリア戦略の一部になる
ここまでのポイントを、サクッと整理します。
- 直近1年に転職した人の16.6%が退職代行を利用
- 利用理由の上位は「引き留め」「言い出せない環境」「トラブル回避」
- Z世代の約6割は「退職代行を利用することを検討したことがある」
- 約4社に1社は「退職代行で辞めた社員がいた」と回答し、企業側も無視できない状況に
退職代行16.6%という数字は、
「最近の若者は根性がない」という話ではありません。
むしろ、
- まともに辞めさせない会社がまだ多い
- 言えば潰されるかもしれない、という恐怖がある
- それでも自分の心と人生を守りたい人がいる
という、職場側の課題の裏返しでもあります。
これからのキャリアでは、
- どこで働くか
- どう働くか
だけでなく、
「どう辞めるか」
も、戦略の一部になっていきます。
退職代行を使う・使わないに関わらず、
- 自分の辞めたい理由を言語化しておく
- 直接伝えるルートを一度は検討する
- いざというときの出口戦略を持っておく
この3つを押さえておくだけでも、
「辞められない地獄」にハマるリスクは減らせます。
会社を変えるかどうかは、最後に決めればOKです。
ただ、自分の人生のハンドルだけは手放さないこと。
退職代行16.6%のニュースは、
「辞め方」まで含めてキャリアをデザインする時代が
本格的に来た、というサインかもしれません。

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