「働いて×5」がモヤるのは、ちゃんと理由がある
「働いて働いて働いて働いて働いて。」
このフレーズが流行語になりました。
正直、モヤっとした人も多いはずです。
日本は、今も“働きすぎ”が問題だからです。
過労死やメンタル不調のニュースも多いです。
だからこそ、不安になる人がいて当然です。
首相は「自分が全力で働く」と説明しました。
けれど、現場の受け取り方は少し違います。
「また根性論なのかな」と感じる人もいます。
この温度差が、今回のモヤモヤの正体です。
データで見る「働きすぎ」と「報われなさ」
ここで、一度データを見てみます。
感覚だけで語るとズレやすいからです。
日本には週60時間以上働く人がいます。
男性では、およそ1割前後と言われます。
過労死やメンタル不調の労災も増えました。
ここ数年は「過去最多」という年もあります。
教員や医師の勤務も、かなり長時間です。
「過労死ライン」に近い勤務も多いです。
それなのに、生産性は高くありません。
G7の中では、最下位クラスと言われます。
つまり「長く働いても報われにくい」です。
これが、今の日本の厳しい現実です。
だから「働いて×5」は重く響きます。
「もうこれ以上ムリ」という声も当然です。
個人的には「働き方の話と、働く意思の話を分けたい」
ここからは、少し個人的な意見です。
「トップが全力で働く」と語ること。
これは、それ自体は悪くないと思います。
ただし、気になる点が一つあります。
それが「ワークライフバランス発言」です。
「自分はバランスを捨てて働く」と宣言。
この言い方には、やはり圧があります。
部下は、その姿を見ながら働きます。
「そこまでやらなきゃダメなのか」と感じます。
トップの自己犠牲が、基準になります。
すると、現場は休みにくくなります。
本当は、分けて考えたほうが良いです。
・リーダーの“覚悟”としての働き方
・社会全体の“仕組み”としての働き方
この二つは、本来別物のはずです。
しかし、今はごちゃ混ぜになりがちです。
「働きすぎ社会」で自分を守るために、できること
社会はすぐには変わりません。
だからこそ、個人の工夫が大事です。
ここでは、現実的な3ステップに絞ります。
①まず、自分の働き方を“数字”で把握する
最初の一歩は、現状の見える化です。
ざっくりでいいので数字にします。
・一週間の総労働時間
・一か月の残業時間の平均
・休日出勤の頻度
・寝不足やだるさの有無
これだけでも、かなり見えてきます。
もし週60時間近い働き方なら要注意です。
「黄色信号」と考えていいラインです。
その場合は、一人で抱えないほうが良いです。
上司や人事、産業医に相談してみましょう。
いきなり全ては変わらなくても大丈夫です。
まずは「助けを求めた」という事実が大切です。
②逃げ道としての「スキル」と「収入ルート」を育てる
次に大事なのは、選択肢を増やすことです。
一つの会社だけに依存すると、怖くなります。
「辞めたら終わり」と感じてしまうからです。
そこで、少しずつ準備しておきます。
・他社でも通用するスキルを磨く
・小さく副業を始めてみる
・転職サイトで市場価値をチェック
すべてを一気にやる必要はありません。
月1〜2万円の副業でも、意味があります。
「いざとなれば動ける」という感覚。
この安心感が、かなり大きいからです。
③「長く働く会社」ではなく「長く付き合える働き方」を選ぶ
最後は、キャリアの視点です。
これから大事になるのは一社主義ではありません。
「働き方をいくつか持つ」感覚だと思います。
たとえば、次のような組み合わせです。
・リモート可の会社へ転職する
・短時間正社員や週休3日を選ぶ
・本業+副業+個人プロジェクトに分散
こうすると、リスクが分散されます。
一つの組織に縛られすぎなくなります。
結果として、心にも少し余裕が生まれます。
それが、長く働くうえでとても大事です。
まとめ:スローガンより、“自分のルール”を先に決める
「働いて働いて働いて働いて働いて。」
この言葉は、今の日本を象徴しています。
みんな、すでにかなり頑張っています。
それなのに、報われにくい人も多いです。
だからこそ、私たちに必要なのは別の視点です。
・社会のスローガンに振り回されないこと
・自分の体と心の状態を冷静に見ること
・逃げ道と選択肢を少しずつ増やすこと
個人的には、こう感じています。
「ちゃんと休む」「ちゃんと学ぶ」「ちゃんと稼ぐ」。
この3つのバランスを、自分で決めていく。
そんな“自分ルール”を持てる人が、
これからの時代を一番しなやかに生きるはずです。
そして、その小さな一歩は、
今日の帰り道からでも始められます。
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